09年度手数料ポイント制度について
先日09年度代理店手数料ポイントの説明会があった。
毎年、会社の都合の良いようにポイント制度をいじってくるので嫌気がさしてほとんどの代理店は「勝手にしろ!」と言う感じである。
「質問はありますか」と言われても質問は私だけだし、その質問にも答えられずに流してしまい、他の代理店は「しらっ」としていた。
09年度のポイント制を眺めて感じたことを書いてみたい。
1,基本ポイント60ポイントが代理店にとって「悪の元凶」
昨年度、従来70ポイントだった基本ポイントを60ポイントに引き下げた。これで代理店に対する会社の裁量ポイントが大幅に増加したと同時に、代理店にとっては実質10%の手数料ダウンになった。
会社にとって「○○やったら○○ポイントあげるよ」という項目がまたまた増やせることになった。
代理店は基本ポイントが70%から60%になったときにそのことに気がつくべきであったし、会社のされるままになったことが今改めて悔やまれる。
09年度のポイント査定項目は6項目が新設されているのである。
今後は、基本ポイントのこれ以上の引き下げを許さないような制度上の歯止めを作ることを代協などに要求すべきではないかと思う。
2,結局は増収ポイントが大きなウエイト
たとえば、一般収保1億円~1億5000万円、非中核、専属代理店で増収率130%という代理店(あまり存在しないであろう)で、すべての項目に最高ポイント獲得したとするとポイントはたった125ポイントでしかない。
すべての項目に最高ポイントをとること、増収率を130%アップにすることは並大抵のことではない。人的な投資が必ず必要になる。専業代理店でこれだけの投資と努力をして25%アップの手数料では少なすぎ、これ以上大きくなるのは、契約単価を上げるため大口契約者である特定の企業に依存する体質を持たなければ企業として維持できず、沢山の契約者、小企業を相手にした街の専業代理店として存続するのは難しいことになる。
そのうち増収率ポイントが一般種目補正と併せて17ポイントを占め、規模ポイント10ポイントと合計すると27ポイントを占める。
損害率については、最高ポイントが40%未満で5ポイントだから現在の制度では大型フリートで損害率が悪い契約者を持っていた方が有利と言うことになる。
このポイント制度が常に増収していなければ高ポイントを維持することができない制度であることが分かる。
馬にまたがった社員が、釣り竿の先に付けたニンジンを垂らして、死ぬまで走り続けさせる絵が浮かび上がってくるのは私だけだろうか。
3,各項目を細かく見ていこう
○業務ポイント・・安心品質で社員が未充足だと思う項目が1個以上あればマイナス10ポイントである。これは通常はそんなことはありませんと言うだろうが、いざとなれば伝家の宝刀で社員(支社長)の一方的な判断で抜くことができる項目になる。
現に、合併されることを強要して「いつでもクビにできるのだぞ」とすごむ支社長がいるくらいだから使われる可能性は高い項目だ。
○資格制度・・TNアカデミー合格率・・これがなんと最高が1ポイントだ。中身を見ると結構大変(時間もかかる)でテストも難しい内容(社員でも勉強しないと合格しないだろう)である。内容は始めたばかりだが整理されていて実務にも役立ちそうな内容でその面では評価できる。しかし、その結果が1ポイントというのが今の会社が当局に対しては「代理店、社員の質を上げます。そのための制度を作ります」と大見得を切っている割に実際は1ポイントしか考えていないところに会社の本音が現れている。
お役所はかっこいい文書で納得し本音は違っても通ることを日本の企業はどの業界も身につけているようだ。
代理店は正しい知識を身につけるよりとにかく増収してくればいいのである。
○自火新早期計上割合(4週間前)
これは、会社の都合の良い顧客アンケートの結果まるですべての顧客が4週間前に継続手続きを望んでいるかのような宣伝で強行された。実際に顧客に接している代理店にとっては「何でこんなに早いんだ」「来月じゃないか」などと嫌みを言われるのはザラである。高年齢の契約者の中には満期日に契約すれば良いと信じている人もいる。出張や入院、家庭内のトラブルで忙しい人も沢山いるのである。
少なくても会社が言うように75%以上の顧客が4週間前の契約更新を望んでいるとは考えられない。契約者の囲い込みをしたい会社の都合である。ほんとにそれをやりたければ一部の会社が行っている「早期契約割引」をすればよいのであって、契約者が望んでいるのだから代理店の責任でやれ、やらなければ手数料を減らす!(なんと40%以下だとマイナス10%)というのは契約者に会社の都合を押しつけ、しかもそのリスクを代理店に回すことに他ならない。これは、キャッシュレスと同様でその結果代理店が楽になると言うが、そのことと基本的に違うことだと思う。
○キャッシュレス比率
自動車のキャッシュレス比率はポイントゼロ、逆に90%未満だとマイナス10%である。
つまり、自動車保険はキャッシュレスは当然だからゼロという考え方は、今ポイントがあるものも「当然」になればゼロに変化していくことを示唆している。
私の契約者でも数人の訳ありの「お金に忙しい人」「口座が作れない人」がいる。更新時には「現金で保険料を受け取ってくれる会社を探してください」と頼むしかない。
ちなみにマイナスポイントの項目がいくつかあるが、合計するとマイナス32ポイントとなり基本から引き算をしたら合計28ポイントになる。「さっさと辞めろ!」ということだろう。
○お客様アンケートの結果が良好
お客様アンケートの一部分だけを反映するそうだが、これを入れることにそもそも問題がある。代理店が保険会社の社員である場合は何の問題もないが、代理店が少なくとも会社の使用人ではない。従ってもしアンケートを出すとしたら代理店が出すのが筋ではないか。
アンケートに対する答えは大部分の契約者は保険会社に対する注文として記入する。その内容は感情的なもの(良くも悪くも)が多い。
私の契約者でアンケートで会社に注文を付ける人がいる。「証券が分かりづらい、約款の字が小さい、この説明文は読んでも理解できない等々」そのたびにその回答はすべて私に丸投げされる。契約者に言うと「代理店に対して言っているのじゃない」とよけいに怒られる。
会社は文句はすべて代理店のせいであり、会社の責任とは受け取らないのである。
現在のアンケートが経営上の立場の違いを含めてすれ違いで行われている。
このような内容のアンケートを手数料ポイントに加味するのは問題だと思う。
○複数種目割合
これはいったいどうやってカウントするのだろうか。
法人個人を問わず複数種目を契約している契約者の全顧客数に対する割合ということになっている。計算はコンピューターでやるのだろうが、顧客数というのが問題である。
前に、他種目販売をしろということで法人のリストを打ち出してきた。同じ契約者が10件以上並んでいるのを平気で持ってくるのだ。社名、住所で表現が少しでも違うと別の会社と判断してくるのだ。(たとえば県名の有無、株式会社、K、(株)など別会社になる)
個人でも、同じ所帯で父親名義で火災保険、息子名義で自動車、奥さん名義で生命保険などという契約者はザラである。それぞれ別契約者だからそれぞれが単種目として計算されるのではたまったものではない。
そしてこの結果は代理店の方で検証できないだから余計に問題である。
先日、こともあろうに「代理店手数料の計算を間違えた」というお詫びが載っていた。コンピューターの結果が唯一正しいという社会になればなるほど、その根拠は正確でなければならない。
会社に言わせれば、「パソコン上で顧客の名寄せができます。それをしないのは代理店の責任です」というかもしれないが、それであればすべての代理店にそれをさせてから制度に組み入れるのが筋ではないか。
ともかく、これからしばらくの間、名寄せ作業をしなければと思っている。
以上が説明を聞いた感想であるが、支社が作った資料からの感想なので、細かい数字等は間違いがあるかもしれないのでご了解を頂きたい。
結論的にいえば、会社の本音が契約者のことなど真剣に考えているわけでなく、利益確保、そのためには代理店手数料を減らすことに邁進している姿が見えるだけであった。
5月にミレアホールディングス(東京海上ホールディングスに変更)の連結決算が発表された。私の目にとまったのが費用の内「保険引受費用」という項目である。前期3兆5622億円、今期2兆6836億円 なんと8786億円、24,7%のマイナスである。
保険引受費用という内訳はわからないが、代理店手数料はこの中に入るのは間違いないところである。ある情報によると社員人件費が減って、代理店手数料は微増だと言う話があるがプロ代理店に限っては信じることはできない。

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