問題はらむ家財の火災保険
世の中、自宅の火災保険をつけたら何でも補償されるというふうに考えている人は沢山いる。
そういう意味では、契約確認で建物と家財をはっきりさせると言うことは今まで保険会社がPRしてこなかったことを棚に上げれば進歩であると言って良いだろう。
契約確認書制度が始まってまだ三週間なのに代理店の中では評価に関する問題が一番困っている。
会社の態度は
評価は新価か時価かで決めて、評価額以下の保険金額の場合は、契約者から事故があったら「比例てん補されることを了解します」という文言を確認書に書いてもらえというのだ。
これはかなり問題な確認書である。
そもそも価格協定保険以外は、契約者と保険会社の間で保険金額に関する協定はなされていない。事故が発生して初めて全部保険なのか一部保険なのか超過保険なのかが判定され保険金について契約者との協定がされる。
この問題は常にトラブルの元になってきたのは事実である。だからといってトラブルを避けるために保険会社が一方的に保険金額を定め、一方的に事前に契約者に「比例てん補(保険金が減額されること)了承させることは問題ではないか。
金融庁だってこんな一筆を契約者に書かせるなどと予想もしていなかったろう。
すべてが評価済み保険であればこの契約者の了承文言は問題ないといえるが、現状では完全に保険の対象物をひとつひとつ評価することは不可能である。特に問題なのは家財の評価である。
今回の契約確認書がスタートして相当数の代理店から相談を受けたがそのほとんどが評価の問題なかんずく家財の問題であった。
会社に質問すると、
「簡易評価(会社が一方的に決めた家族数による家財の評価額)でなければ、家財の金額をひとつひとつを積算してください」と言われた。
「積算って具体的には?」
「契約者と一緒に下着から茶碗にいたるまでひとつひとつ合計計算してください」
「それ以外の方法は無いの」
「今のところありません」
私は一度だけ本当に積算したことがある。マンションの1室が丸焼けになって、女子中学生の家財の新価の書き出しを手伝ったことがあった。デパートで半日かけて店員理由を話しながらほんとにパンツ一枚から鉛筆1本まで計算したら150万円になった。
(メモと鉛筆をもって売り場をうろうろされたらすぐに声がかかる、もうやりたくはない仕事である)
家財道具を本当に積算するのはほとんど不可能である。それを要求するのはいかに保険会社の頭が現実離れしているかを如述に現している。
会社が要求している家財の新価のいくつかの例は次の通りである。
独身所帯 年齢に関係なく 300万円
33歳から37歳 の夫婦子供一人 1110万円
43歳から47歳の夫婦子供二人 1600万円
48歳以上夫婦子供(成人)二人 1780万円
48歳以上夫婦のみ 1500万円
みなさんどう思われるだろうか。
契約者に話をするとほとんどの方が「そんなにあるはずがない。高給取りの保険会社の社員の家を基準にしてるんじゃない」と皮肉を言われる。
ちなみに私の家は48歳以上夫婦二人である。家財の保険金額は500万円にしている。会社は、基準はプラスマイナス30%で調整して良いと言っているが、1500万円に対してマイナス30%では追いつかない。
家財の評価で問題なのは、契約者の趣味趣向が極端に現れるからだ。
自分のことで考えれば、かつてゴルフやスキーに夢中になっていた時には、それぞれの道具だけで多いときは100万円単位になったろう。しかしそれらができなくなったり興味を失った今、物置を占領する粗大ゴミでしかない。これが焼けて新品価格で保険金がもらえれば一石十鳥くらいの喜びである。
家財の評価を何をもってするか、契約者の価値観と実際の価値とは雲泥の開きがある。
家財の主流を占める衣類でも新価評価の対象になるのに実際は粗大ゴミの山ではないだろうか。契約者の感覚では粗大ゴミは評価額ゼロなのである。
この基本的な問題を解決しなければ、保険会社は保険料をもらうために沢山の金額をつけさせ、実際に事故になったら払わないという契約者の信念は無くなることがないだろう。
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