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2008年7月

2008.07.28

「ご契約内容の適正性に係わる点検について」のレポートを読んで

TN社から7月4日に発表された、「ご契約内容の適正性に係わる点検について」の感想を書きたい。

1,始めに、この莫大な件数の点検や返還事務処理を実施したのは代理店であり、保険会社はその代理店の労苦に対して戻し入れ手数料の若干の部分を負担しただけで、その労働の対価については一切負担していないのである
その上これを機会に代理店手数料を引き下げるチャンスと、踏んだり蹴ったりの扱いをしてきた。

保険会社と代理店は別の企業である。さも、おまえらが悪いからタダでやるのは当然だ!といわんばかりにコンプライアンス違反の脅しのもとに1年間タダで働かせたのである。

日本の損害保険販売は欧米と違って機関代理店という特殊なチャネルのウエイトが非常に高い。
保険会社の販売管理もそのチャネル別に整備され、きちんと統計が取られている。今回の「過大保険料事件」については、その合計の発生件数と返還保険料は発表されたが、チャネル別の数字は公表されていない。真にその原因を追及し、改善をしようとすれば機関代理店に特別に甘い保険会社の体質と制度について明らかにされなければならないと思われる。
しかし、公表される数字はいつも合計数字でしかないのである。

2,過大保険料を領収した原因は解決されたか

過大保険料の発生は、割引の漏れ、適用料率の誤り、保険金額の設定誤りの三つに分類されている。
主なものとなっているが、火災保険、自動車保険に限って言えばこれでほとんどをしめるだろう。
火災保険で言えば、地震保険、建築年割引の適用漏れ、高機能住宅割引の適用漏れ、省令準耐火割引の適用漏れ、構造級別の判定誤り、保険金額の過大な設定、などである。
火災保険の保険料は、「割引することができる」イコール「割引しなくても誤りではない」という暗黙のルール、また、代理店は社員から「保険料が間違って少ないと保険金が支払われない、多くもらっていたら分かったときに返せば良いと言う考え方が数十年にわたって社員も代理店もそう思ってきた。そのこと事態問題ではあるが保険会社がその考え方を容認してきたことが問題である。
報告書は、すべてシステムの不備やチェック態勢の甘さなどを原因としているが、もっと保険販売チャネルの構造的な問題に踏み込まなければ、システムの整備などだけに集中していると、代理店と契約者間での基本的な問題は解決されず、新しい問題が次から次へと出てくることになると思われる。

特に火災保険の分野では複雑化した内容は全く改善されず、システムの整備と言いながらより複雑な料率体系と評価と保険金額などの問題では矛盾を深めている。
法制化されたばかりの「住宅防災設備割引」は設備の割引が適用させていなければ注意喚起のエラーをかけなければ意味が無いと思われるのにそれさえ行われておらず、過収保険料問題の再生産が行われていると思われる。

自動車保険の分野でも、新しい「簡単にした」という商品と旧商品の併行販売が行われており年齢条件や担保内容で重大な相違点があるため、新しいトラブルの発生が予想できる。

結論的に言えば報告書で言う商品が複雑な状況は何ら解消されず、新しい紛争の種を発生させているに過ぎないと言える。

報告書の今後の対策の柱としている新しい募集人教育の講習やテストの内容を見ても内容が非常に難解なのが分かる。現役営業社員にテキスト参照不可でこのテストを受けさせたら果たして半分も合格しないのではないかと思われる。「社員は勉強不足だ!」と言っているのではない、難しすぎるのである。
保険会社は報告書や他の文書でも顧客とのトラブルが発生するとすべて「代理店が良く理解しおらず契約時の説明不足でした」でかたづけている。どう見ても顧客の無理な注文にすら「説明不足でした」と言っている。これでは何ら問題は解決しないのである。代理店にしてみれば、そんなケースまで説明する奴がいたら1日1件しか契約ができないくらい時間がかかってとっくに代理店など辞めているだろう。
保険契約というのは複雑なものなのである。非常に単純化した一部の共済商品でさえ一般の人には複雑であり、その複雑さ故に大部分の善意の人が保護されているのである。
その解決を、すべて「募集人」の説明不足の責任にし、解決策を「募集人」の教育とコンプライアンスの強化に求めている。
基本的に複雑さの解決は複雑さの解消と複雑さを理解してもらう保険会社の政策によるべきであり、今の方針はそのすべてを「募集人」に着せることで解決するように見せているように過ぎない。
一流大学をでた社員が考えたことを一流大学をでた募集人が説明して一流大学を出た契約者が説明を受けて保険を購入するというパターンを前提として考えられている気がしてならない。
振り込め詐欺がいつまでもなくならない。犯人から指示されているATMの操作の意味を理解できない人たちが沢山いるということを前提にシステムができあがっていないからだ。

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2008.07.14

団体割引の不公平感

「損保のなかま」という月刊紙がある。この7月号で351号だから約30年続いていることになる。
http://www32.ocn.ne.jp/~sonpononakama/
この新聞は、ホームページの自己紹介を引用すると

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 この新聞は損保各社の従業員、OB、代理店などがつくる編集委員会が発行しています。紙面づくりの基本姿勢は「契約者・代理店・従業員の目線で業界を見る」ことであり、「契約者には頼りがいのある、代理店には扱いがいのある、従業員には働きがいの損保を」がスローガンです。企業や労働組合の枠をこえて、広い視野から損保やそこに働く人々を考え、語る新聞です。
>>
351号に自動車保険の団体割引を中心にした官公庁・大企業の団体割引の問題が特集されている。これはあまりオープンにされていないが、官公庁・大企業の従業員、元従業員について自動車保険のみならず、傷害保険、生命保険など相当な割引率で個人契約ができるという問題である。
たとえば、「18歳の息子が免許をとって車を買ったから保険付けて」などという電話を頂き保険料を出したら車両保険付けたら保険料が年間40万円になってビックリ仰天などという話はよく聞くことだが、某電機会社の従業員であれば、23万円で加入できる。この割引は他のすべての割引を計算した上での割引だから、20等級60%割引、団体一括割引5%してその上に30%の団体割引が適用されるのはザラと言うことになる。
一応名目的には1000台以上の団体で損害率の計算によって割引率が算出されることにはなっているが、損害率と割引率のテーブルは公表されてはいない。
そして、対象者は従業員、関連会社の従業員そして退職社員まで含むのである。

保険というのは細分化すればするほど不公平感が表れてくる。いわば格差社会そのものとなる。
では、この官公庁・大企業の人たちがどのくらいの比率だろうか。「損保のなかま」は全就業者の30%~40%と推計している。(私は個人的にはもう少し少ないと推測しているが根拠はない)
問題は、自動車保険をはじめとするいろいろな保険が官公庁・大企業、関連会社の従業員や従業員だったと言うだけで生涯割安な保険料で加入できると言うことである。22歳から80歳まで適用されたとしてその総額は莫大な物になる。いわば無税の現物給与みたいなものだというのは言い過ぎだろうか。

この記事を読んで私の契約者層を洗い出してみた。最大の契約者は従業員数300名の中企業であり、団体契約を結んでいるが団体割引は無い。官公庁・大企業に勤務している契約者ははっきり勤務先を言わないが、推測されるの人が数人だけである。その人たちは私と契約すると「高い」ことを承知の人ばかりである。
多分、大企業を持たない街のプロ代理店の大部分の方は、自分の契約者のなかで官公庁・大企業従業員を探し出すのに苦労することだろう。
割引なし保険料を負担している層を顧客にしているのはプロ代理店であり、割引有り保険料契約者を取り扱っているのは大部分は関連企業代理店でありその壁は絶対的なものとなっている。(官公庁従業員の扱い代理店はプロ代理店も多いが)

今、保険会社は高い保険料支払い層を取り扱っている代理店グループを壊している。この契約者たちは今後、統合された大規模代理店に「よろしくお願いします」と移っていくのだろうか。格差社会のなかで所得が不安定な層は「良い保険のために保険料を少しアップさせていただきました」という保険会社より「初めてでよく分からないけど安い保険料で付けられる」保険会社に移動することだろう。

私は自分の立場から、この1年でネット通販のMSが10%を越えるだろうことを危惧する。

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2008.07.08

契約内容確認書」はもうやめたら!

7月から始まった新しい自動車保険の契約内容確認書が8月1日からもう改定になるとのこと。
チェック項目が大幅に減るようだ。傷害保険関係の契約者がどう見ても分からないような確認書をはじめとしてまったく形骸化してきている。代理店の実際業務でも毎年2時間もかけて約款のすべてを説明していては契約者も代理店もたまったものではない。
その上、チェック項目を減らしたり、傷害保険の意味のないチェック項目といい契約内容確認書としての本来の意味はもうないに等しいのではないか。僅かに意味のありそうなのは火災保険における評価についてだけだと思う。

会社がやめないのは、官僚に対する言い訳といざというとき契約者や代理店のせいにするためだけの意味でしかない。

自動車保険で考えれば、申込書の年齢条件、使用目的、免許の種類、運転者の範囲などの欄に契約者のチェックを入れてもらうだけで良いのではないかと思う。
傷害保険は被保険者と保険金受取人の確認だけチェックしてもらえば良いと思う。
複雑怪奇な約款と500ページに渡る取扱規程の説明を改善して、保険という物の常識を世に作り上げるのは保険会社の責任であって契約に当たって代理店が約款と取扱規程について事細かに契約者に説明する時間的な経済的なものは何も担保されていないからだ。

「都合の悪いことは代理店のせいにする」といえば、
以前、抜本改革に関して「原則」「例外」は結局代理店が悪者になると書いた。
その通りのことが発生した。
会社が自分の都合だけで契約者からの意見を選択して書いているネット上の情報コーナーがあるが、そのなかで搭乗者傷害保険の問題で日数払い方式が「あるのに廃止した」と説明したことに関し代理店が「案内の際に説明が不十分であった事をお詫びした」と書いている。
このような曖昧な制度は、結局トラブルが発生したときに代理店のせいにし、トラブルが発生しなければ会社がもうけものという、危惧した通りのことを会社はネットで公言しているようなものだ。
この中でも一年先の「予定」でこの制度は廃止する「予定」である、ことまで説明しろ、みたいなことを書いているが「予定」が予定で無くなったときは誰か責任とってくれるのだろうか。契約者に対し1年もの先の「予定」で説得するのはあまりにも無責任だろう。

火災保険に関する多額の「保険料とりすぎ」問題のニュースが報じられたが、この根っこには単に複雑さだけでなく、「割引をすることができる」(しなくてもよい、という解釈)というあいまいな規定が長い間存在し、それを許してきたこと(会社が儲かることには目をつむる)が原因であるとも言える。

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2008.07.04

手数料ポイントを送ってきた

先週の金曜日、支社からメール便が届いた。あけてみると、6月取り扱いからの「手数料ポイントは○○ポイントです」という内容であった。約3ポイント近く下がって100ポイントを切ってしまった。
取扱保険料は数年間ほとんど変更無く(大口契約の保険料率ダウンを細かい契約でカバーするというパターンが続いている)会社が作れと言う「契約者からの苦情リスト」には10年間以上も1行も書かれてないような状況でも確実に毎年ポイントだけは下がってきた。

それにしても、他支社の代理店に聞くともう3週間も前に送られてきたとのことで、何の説明もなく通知書だけがメール便で送られてくるとはさすがに腹が立ったが、すぐにこんな業界にいつまでいる自分に嫌悪感を感じてここしばらくやる気がなかった。
前期高齢者の身で、先日二人の医者から「もうストレスのない生活を考えた方が良いのでは!」と同じことを言われたこともあってますますストレスが高くなった。

そこにとなりの支社に所属する代理店が訪ねてきてポイントの話になった。
彼は、その支社の最高ポイントになったそうである。彼の挙績の大部分は、大口の運送会社と自治体、官庁の契約とその団体扱いである。
最高ポイントになったのは、その運送会社が事故が多くデメリット料率で1000万円単位で大幅に増収したことと団体扱いが、早期計上やキャッシュレスのポイント対象外になっているため、残りの契約は100%早期計上とキャッシュレスになっているためと言うことであった。

本人も
「保険会社がもう断りたいような契約で増収しても最高のポイントがつくなんておかしいよ」
「事故率が良くなって大幅に保険料が下がったらポイントが一挙に下がるのが目に見えているからその時は困るな-」と言っている。

要はポイント制度は契約者に対する代理店の質の問題ではなく、保険料の絶対量であり、どれだけ増収したかが問題なのである。未払い問題など起こらないようなきちんとした代理店も増収しなければつぶすという方針のようだ。

代理店に対する会社の態度はトップが良く言う「ビジネスパートナー」どころの話ではない。ポイントに関する説明会はしない。(しないのではなく代理店からの意見が怖くてできないのかもしれないが。)また、ポイントを仮に是認したとしてもどこをどうすればポイントが上がるかもまったく分からない状況だ。(社員そのものも分かっていないようだ)

自分が販売する商品に対する収入を、説明もなく1枚のメール便で送りつけるのが、独立した販売者である代理店に対するビジネスパートナーという態度なのだろうか。
この「驕り」は早く叩かなければ保険会社そのものも社会から常識外の存在として、はみ出してくるのではないかと危惧する。

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