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2009年1月

2009.01.27

100億円以上の不正と1000円以下の不正

以下YOMIURI ONLINE の記事です 朝日新聞のトップにも載りましたので同業の方はギョッとしたと同時に不思議に思ったでしょう。
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仏保険大手アクサの日本法人「アクサ生命保険」などの企業向け生命保険を巡り、代理店が同社から販売手数料を不正に受け取っていた問題で、複数の代理店が顧客企業の名義を使って締結した不正契約は約1万件で、販売手数料は総額で約100億円に上っていることがわかった。
 金融庁は、保険料の立て替えなど契約者に特別な利益を与えることを禁じた保険業法に抵触する恐れがあるとみて調査を始めた。
 不正契約の対象となっていたのは、アクサ生命と三井住友海上火災保険グループの「三井住友海上きらめき生命保険」。両社などによると、不正契約を結んでいたのは、両社が販売業務を委託していた金融会社「信和総合リース」(東京都千代田区、昨年12月に経営破綻(はたん))グループの複数の代理店。
 これらの代理店は、中小企業の経営者らに頼んで企業の名義を借りたうえで、企業向け生命保険の契約を締結、販売手数料を受け取っていた。保険料は、契約企業がいったん、信和総合リースから融資を受ける形で保険会社に支払っていた。その後、代理店が、販売手数料の一部や解約返戻金を使って融資分を埋め合わせるなどして、不正の発覚を免れていたという。
 こうした不正契約は2002年ごろに始まり、08年までの間に約1万件に上っていた。大半が、アクサ生命分だという。
 アクサ生命は08年11月、問題の代理店を担当していた部長級社員を懲戒解雇にしたほか、上司の執行役員2人が責任を取って翌12月に退任した。
 きらめき生命は、信和側に渡った販売手数料と解約返戻金の合計額から保険料分を差し引いた約3億6000万円の返還を請求し、08年3月、信和側が半額を返金することで和解した。
(2009年1月16日14時49分 読売新聞)
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まず不思議に思ったのはこの記事の内 三井住友きらめき生命の計算である
 
販売手数料プラス解約返戻金マイナス保険料総額=マイナス3億6000万円
という計算である。
私たち普通の代理店では考えられない計算である。
アクサ生命に於いてはこの計算が大規模に行われて100億円を越える数字になったと思われる。通常の取引ではこの計算の逆であある。(差額が保険会社側にプラスになる計算)
この計算が成立するためには保険会社の特別の意思が働いていないと成り立たない。(代理店だけでは成立しない悪事である)
また、この計算はネズミ講と同じでいつか必ず破綻をする。
よく「税金と保険料は他人のお金で使ったものが勝ち」と言われるが両方とも悪いことをしても罪の意識が希薄なのが特徴であるが本当に他人のお金を盗むのと同じだという意識をもっと広げなければと思う。

TN社では、自動車保険で保険期間の途中変更で追加保険料が1000円以下の場合は追徴しないが、この制度が近々廃止の方向で検討されているという。この制度は契約者や代理店にとっては非常にありがたい制度でお金の問題でなく1000円以下にかける手間を考えるととてもありがたかった。(たとえば600円の追加保険料をもらうための手数料は100円にもならないがそのための経費は1000円以上の場合もある)
廃止の原因はこの制度を利用して「小銭稼ぎ」をした代理店が複数いたからだと言われている。
パソコンで書類を作れば追徴保険料ゼロと出てくるし、正式な領収書を発行するわけにも行かないから私製領収書を発行して数百円をポケットに入れたのだろう。平均500円として年間で30件ポケットに入れても15,000円である。(私のところでも追加保険料ゼロは年間20件もないが)
なんとも情けない、つましい不正事件である。おかげさまで契約者や代理店のとってもメリットのある制度が廃止されてしまう。会社にとってはゼロでも書類を作るコストは同じなので少しでも増収になることであり喜んで廃止を決めることだろう。

二つの事件に何の関連もないが1000円追徴廃止のニュースを聞いてむなしさを感じた次第である。

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2009.01.22

TN社の自動車保険を巡る二つの情報

1月21日の日経新聞は「東京海上、NTTと直販」という記事を載せた
記事の内容は
1,東京海上HDとNTTグループは携帯電話やインターネットを使い自動車保険などを販売する事業で提携。
2、近く共同出資で専門の損保会社を設立、今春の開業を目指す。
3,新会社も保険料を抑えた自動車保険の新商品を開発、携帯電話やネットで販売する方針。
4,携帯電話だけで加入手続きが完結する仕組みも導入する方向。
と言うものである。

この記事に対して会社のコメントは「現時点で正式な決定がされていません」というものだ。この種のコメントで正式な決定がされていないとだけ言うことは今までの例では「その記事の通りです」ということに近いから新会社のスタートの時期は別にしてもその通り動くものと思われる。

もう一つのニュースは「2009年7月に現行自動車保険料を大幅に引き上げる」というニュースである。特に業務使用の車は(TAP)は大幅に引き上げるという。

通販では保険料を引き下げ、代理店扱いの保険料は大幅に引き上げるということにより現在の販売チャネルの構造を一気に変化させようとする狙いが明瞭である。東京海上資本はこれにより損保部門のチャネルを、
1,大、中企業中心の東京海上日動
2,リテール中心の日新火災(代理店拡大のコマーシャルを始めた)
3,携帯世代ネット世代向けの通販新会社
の3会社で営業を展開しようとする戦略が確立することになる。あとは3社の損害処理を行う会社を作れば商品品質は事故処理の面では一元化される。

これらが動き出すことにより業界に大きな変化が予想される。

○他業界や他社に比較して群を抜いていた東京海上の給与水準が一部の従業員を除いて分社化によって引き下げられ、非正規雇用がますます進むことになる。(通販会社では正社員はほんの一握りではないか?)
○代理店扱いの商品を高くしさらに通販で低保険料商品をぶつけることにより手数料の低下、代理店の統合化を促進する。
○「プロから十分に説明を聞いて保険を買いたい」という消費者の要求を保険料の安さを餌にすべて契約者に転嫁してしまうため契約者の要求を無視し、新しいトラブルの発生源になる。携帯電話だけで契約が完結するなどは代理店に現在要求している説明責任のことを考えたら論外の問題ではないだろうか。

予想できる変化は、契約者にとっても従業員にとっても代理店にとっても良いことは予想できず、持株会社が自己の利益を最大に確保するためのむき出しの政策が進められているように感じる。
現在、第2の合併統合が取りざたされ、ますます代理店や契約者の立場が無視され、資本の論理だけで動くことが予想されるとき、その動きを注意怠りなく考える必要があると思うのだが。

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2009.01.10

コメントについて

皆様に沢山のコメントを頂き有り難うございます。私は2チャネルは興味がありませんので読んだことがありませんが人の評判しか分かりませんので意見を言うのをやめます。
前にも書いたようにコメントと掲示板はその趣旨がはっきりと違うと思います。
掲示板はそのテーマについて自分の主張を言い合う場でもあると思いますが、ブログは本来ブログ発信者の個人的な日記風のグチや意見や主張から出発したものだと思います。
これは私の考え方ですが掲示板では「管理人」でありブログでは「管理人ではなく発信者」だと思っています。

そこで、2チャネルで騒がしている人だからコメント禁止と言うことについて私は賛同する気持ちはありません。
(2ちゃんでの内容は分かりませんから)コメントとして受け入れられる内容であれば問題ないと思います。

このコメント欄を続けていくためには申し訳ありませんがコメントを無条件に即時反映することを停止させていただきます。なるべくすべてのコメントを反映したいと思いますが「ののしりあい」「感情的な中傷」「公序良俗に反すると思われるもの」「営業に利用しようと思われるもの」については掲載を見合わせたいと思いますのでよろしくお願いします。

このために、コメントがよせられてからコメント欄に反映するまでに時間がかかることもありますのでご了承ください。

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2009.01.08

金融庁「保険の基本問題に関するワーキンググループ」から

上記のワーキンググループの2008年12月19日第49回会議の中で(社)全国消費生活相談員協会 丹野美絵子氏が ”消費者から見た「保険の募集と支払いのあり方」の課題と検討”というテーマで報告をしている。
全文は金融庁のホームページに掲載されているのでご一読をおすすめします。
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/dai2/siryou/20081219/02.pdf

保険の消費者トラブルはなぜ起こるか、から始まって原因と対策が述べられている。内容は現状を比較的的確に捉えており読みながらウンウンとうなずかせるものが多かった。

1,不払い問題以前と以降で、苦情内容に基本的な変化はない。
2,消費者が自分の思っている保険と、実際に契約している保険が乖離している。
として、不払い問題以降の保険会社の対策が役に立っていないことを指摘している。

その原因は
1,保険が無形契約であるのに難解、複雑な商品であること。つまり消費者に理解できない商品であること。
2,募集人の質、説明能力の問題。 加入時点で消費者が理解できる説明がされていない。
3,消費者が保険を知らないという事実とそれを放置してきた保険会社の姿勢。消費者が理解できていないことに乗じて、自分たちのビジネスモデル競争に奔走し、消費者利益を置き去りにした。
と指摘している。

具体的には
1,商品の簡素化
  消費者に理解できる約款、募集者としても説明できる商品、消費者が想定していない特約は不要と指摘

2,募集人の資質確保
募集人の資質のばらつきが大変大きい、消費者は保険のプロフェッショナルから説明を受けたい。プロに売ってほしい。として「募集人の資質確保の制度整備」を行うべきとしている。

しかし、現在の保険会社に都合の良い兼業募集網、銀行などの消費者へのパワー募集網の問題には触れられていないのが残念だ。

3,広告規制の必要
広告規制を保険業法で行うべき。

私は法で定めるとしたらやってはいけない的な規制だけでなく「保険の常識」的な消費者に商品の理解をしてもらう広告をあるパーセントで義務付ける内容も導入すべきと思っている。

4,消費者向け文書の整理
消費者理解を促進するためとして消費者向け文書が次々に増えてきた。どの文書もボリュームが多く、結果として消費者の理解ができない。文書を整理統合する必要ありと指摘。

現在では金融庁が一言言うたびに新たな文書がいくつか必要という事態を招き、反エコだけでなく返って契約者との間をその書類だけをもらうために時間を使うなど形骸化している。
加えて保険会社のシステムで処理をすべて代理店に押しつけるために代理店内の事務量が膨大になっている。

5、説明義務は消費者が理解できるように
説明義務の対象と程度を明確にすべきとしている。

が、現実には複雑で難解な保険商品をしかも現実には想定外の事故が発生することを考えたら何をもって契約者が商品内容を理解したかとするかが問題ではないかと思う。
これは説明義務違反の効果について厳しくしろという視点でも現在の募集網の基本的な構成に係わる問題をみないでしては基本的な問題解決にはならず、零細プロ代理店だけがペナルティのターゲットになる危険性をはらんでいる。

6,適合性原則の規定化
募集人がその保険を推奨した理由を明記すべきとしている。

現在簡素化が契約者のリスク選択の簡素化という方向で進んでいる。たとえば、住宅で保険種類が一つしか無ければ募集人にとって「この保険を勧める理由」は存在せず、契約者にとっては、他社との比較でしかない。比較広告、比較説明は法で禁止されているし、募集人が乗合もままならない現状の力関係で言えばこの主張はすぐに形骸化する空論でしかないと思われる。

7,募集コストの開示
付加保険料は認可項目ではないので保険料の適正性確保から募集コストの情報開示が必要  

8,クーリングオフの見直し
現状の制度が複雑で制約が多すぎるので見直しが必要

9,保険金支払の適正性の確保
保険金支払いは保険の根幹であり透明性公平性を担保するシステムが必須
保険金支払いについての説明義務についても規定化すべき

以上が概略である。

今後、業界、学界、がからみどのような形で我々の仕事に具体的に反映してくるのか。
まずは会社が「革新的」「抜本」とか言っているこれらの新商品が本当に契約者のことを考えている商品なのかを見る必要があるのだろう。

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2009.01.05

ふたたび抜本火災保険について

会社から代理店宛に出された抜本火災保険についての指示文書で納得できないことがあった。
抜本火災保険になるについていろいろ準備してほしいという項目の中で次の二つの問題についてである。

1,販売中止となる保険の代替の補償について何も触れられていないことである。
代替の保険のない店舗休業保険や家賃保険の契約は結構多い。現在これらの契約は単独でも契約できるため、自動車保険契約者に他社の火災保険契約があることを確認して単独でこちらが契約しているケースがあるが、個人賠償責任保険廃止の時にも結局傷害保険を無理矢理付保させて抱き合わせ販売という結果になった。単価の安い保険だが契約者にとっては必要なニーズであるため廃止のままにされたら困りものである。

2,これが問題だと思うのであえてそのまま引用する。


「住まいの保険」への更新時には、自然災害(風災・水災)の損害保険金の支払方法の一本化によりA4→A1やX4→X1への変更と同様の保険料アップが見込まれるため、今年度の更新から「住まいの保険」の引受パターンと同等の補償内容であるA1パターンもしくはB1パターン、X1パターンへの移行推進をお願いします.”

会社は当然のように簡単に言ってくれている。
しかし、「抜本になると簡素化のために補償を高いレベルで一本化するから今から高いレベルの保険料に変更しておけ」ということである。高いレベルの補償は当然に保険料は高くなる。住まいの立地条件によっては風災、水災のリスクを感じていない人にとってはこれは会社の都合による一方的な話である。
私たち代理店が、この会社の通達の内容で契約者に「来年こう変わりますから、今から高い保険料をいただきます」と言ったら、しかも数千円の保険料アップになると言ったら「自分にとって必要ない補償を今から買わせて保険料を高く取るなんてふざけるな!」と言うことにならないだろうか。

風水災の完全補償リスクに保険料を支払う魅力を感じない契約者に代理店は説明できないであろう。どのような商品を選択するかは購入者側の意思である。これを「会社が用意するのは最高の商品一つだけなのだからこれを購入しなければならない」と言っているようなものではないか。この文書にはそのような巨大企業の消費者に対する傲慢さをひしひしと感じる内容である。

会社は「代理店がそのまま契約者に話すことはないだろう、風水災の完全補償リスクを今から売り込めということだ」というだろう。
現実にそのようにする代理店が多くいることだろうと思う。しかし、私は過去に契約者に風水災リスクを選択してもらっていることもあり今回の会社の論理は納得できないのである。

要はリスク選択の複雑さは契約者にとって必要な複雑さであり、割引、割増や細かい制度規定、同じ物件に二重の保険料、現実離れした評価の複雑さは契約者には理解しがたい複雑さであり、どこを単純化したら「契約者」にとって一番良いのかという視点が欠如しているとしか思えないのである。

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